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レジデンス事業を始めるにあたっての基本的なタスクとスケジュール

◉はじめる前の準備

  • 自分なりのゴールの整理
    • レジデンスプログラムをなぜ自分はしたいのか?
      • 自分のなかでの課題設定 / 目的の設定
      • なぜレジデンスである必要があるのか?宿泊施設とは何が違うのか?
        • レジデンスで解決できるあなたの課題意識や目標は何か?
      • 自分にとって何がメリットになるのか?
        • 文化の発信、地域活性化、伝統産業、国際交流、収益、建物の活用や保存、移住定住促進、異文化との出会い、海外ネットワーク、など
      • アーティストへのメリットは?
        • 異文化との出会い、交流、自身のキャリア、海外ネットワーク、手法・技法習得、など
  • 自身のレジデンスタイプの設定
    • 自分の中で解決したい課題や目的を設定したのち、それを行うのに有効なレジデンスタイプは何かを考える
    • 自身が運営したいレジデンスタイプの整理
      • プログラム面のタイプ
        •  例)交流型 / 伝統技法・技術型 / リサーチ型 / 制作型 / 発表型 / その他(複数可)
      • フィナンシャル面のタイプ
        • 招聘型(助成金・スポンサーなど) / クリエイター自費型 / 折半型
          • 少数派ではあるが数名の融資でお金を出し合って民間で招聘するタイプも
          • クリエイターやアーティスト自身が同施設に居住しているタイプも
      • ハード面のタイプ
        • 宿泊 / 制作場所 / 発表場所 / その他
      • ソフト面のタイプ
        • どんな属性の人材が必要か? 研究者 / アーティスト / デザイナー / 職人 / 高齢者・子ども・主婦など
        • 誰をターゲットにしたいのか? 特定地域から / 女性・男性 / キャリアの段階 / 興味関心
          • 具体的なペルソナを思い描いてみる
    • さまざまなレジデンスタイプの理解
      • 既存のレジデンスプログラムの事例調査と分析
  • プログラムの概要設計
    • 上記のゴールが定まったのち、どのようなプログラムが必要か?
      • 例①地域活性が目的
        • 地域住民とクリエイターが出会える、交流できるためのミートアップやイベント
        • 地域の文脈やニーズをクリエイターに伝えるためのプレゼンテーション
        • 行政との連携プログラム
      • 例②伝統産業の保存が目的
        • 地域の伝統産業の担い手との交流
        • 伝統産業の現場での見習い体験
      • 例③移住定住
        • よりローカルな日常生活を体験してもらうための中長期のプログラム(3ヶ月など)
        • 自由度の高い遊休不動産の活用や、空き家の内覧会など
    • 上記のプログラムを実現するにあたり必要なリソースは?
      • 人的リソース、コラボレーター、協力団体
        • 例)英語が話せるスタッフ、専門知識や技術のある企業やスタジオ、地域の教育機関(大学)、行政、文化機関(ex. 京都芸術センター)など
        • どのようなコーディネートが必要か?
      • ハードやサービス
        • 地域に開いており日常的に使えるコミュニティスペース、クリエイターが制作に使えるパワーツール、など
    • 参加アーティストの募集方法 レジデンスの目標やリソースに合わせ、参加アーティストの募集方法を設定する。どの形態の場合も、選考基準(先着順か、選考をするかーその場合何を基準にクリエイターを選定するかーポートフォリオ、滞在中の活動内容などー)も明確に設定する
      • 招聘
        • レジデンス施設自らが招聘したいクリエイターにピンポイントで声をかけ、招待する
        • メリット:レジデンス側の興味関心や目的に沿ったクリエイターをピンポイントで呼ぶので、ミスマッチが少ない
        • デメリット:予想外の出会いや、他分野からの参入が起きにくい
      • 紹介
        • 連携先の団体や組織、コレクティブ他、知人友人からの紹介ベースでクリエイターを募集
        • メリット:信頼のおける連携先や知人友人からの紹介の場合、人間性やクリエイターの質が担保されており、ミスマッチが少ない
        • デメリット:予想外の出会いが起きにくい、良い意味でも悪い意味でも内輪に閉じてしまう
      • 公募(Open Call) 幅広いオーディエンスに向けて一般公募を行う。1年に1~2回など期間を限定し締切を設け応募を行うパターンと、年間を通して空きがあれば応募が可能な随時募集のパターンに分けられる
        • メリット:幅広くさまざまなクリエイターとの出会いの可能性が高まる。
        • デメリット:応募が多数ある場合の選考に係る人的コストが高い。また、相手の人柄が分かりにくい
    • 最終発表の形式は?誰に向けて?
      • 発表会
      • オープンスタジオ
      • 地域住民との交流
      • ワークショップ
 
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ポイント
  • 上記の内容を、とりあえず全て書き出してみる。ここから自然に企画の原型や必要なアクションが洗い出されてくる。
  • ただし、これらの項目が全てカバーできていなくても、スタートは可能。ミニマムにスタートし、やりながら自身のゴールを明確にしていくのも可能性のひとつ。
  • まずは、さまざまなレジデンスタイプの理解のために、既存のレジデンスプログラムの事例調査と分析を行うことが大切。そのなかから、自分はどのタイプに属するのかを把握することで、必要なプログラムや価格設定などが導き出される
 

◉ゴールとプログラムが決まってから具体的に取り組むこと

  • ハード面の整備
    • 保健福祉局 医療衛生推進室 医療衛生センターへの相談
      • 施設を設けて、宿泊料を受けて人を宿泊させるために、旅館業法の許可、または戸建て住宅や共同住宅等を活用した宿泊業(いわゆる「民泊」)に係る住宅宿泊事業法に基づく届出を行う必要がある。その手続きや事前相談のための窓口としてまず上記のセンターに相談に行くのが望ましい。
 
  • 法律周りの確認
    • 宿泊業としてレジデンス事業をやるのかで準拠する法律が変わる。まず事業設計をクリアにすること。
    • 次に掲げる事項のいずれかに該当する場合は、旅館業と判断される
      • ⑴ 住宅の貸付期間が1箇月未満の場合
        ⑵ 貸室業を営業する意思を対外的に明示せず、貸室業を行う前提での利用者の募集を継続的に実施していない場合
        ⑶ 上記⑴及び⑵に該当しない場合であっても、1箇月に到達する前に当該サービスの提供終了を繰り返す場合
    • *** in Residence Kyotoでも相談会を随時実施しているので、〜〜などで解決しない場合は、相談会への参加を。
  • ビザの申請
    • 何ヶ月滞在するのか、何を目的とした滞在なのかで必要なビザの種類は変わってくる。国によって異なるので必ず各国の日本大使館に確認を
    • ビザが必要な場合は「招待状(Invitation Letter)」などが必要になる場合が多い。これはクリエイター側が助成金を申請する際にも必要になるので、自社情報やロゴなどを入れたオリジナルのテンプレートを作っておくと便利
    • やりとりが煩雑になる場合はビザのサポートに強い行政書士に相談するという方法も
      • *** in Residence Kyotoにて紹介可能
  • アウトプットの作り方 作品の制作を義務付ける、付けないはレジデンス次第。けれど、何かしらの形で滞在中の活動について発表してもらう機会は設けた方が良い。
    • 合同オープンスタジオ
      • 例)
    • 個展・展示
    • ワークショップ
    • レクチャー・トークイベント
  • アーカイブ
    • 普段お付き合いのあるフォトグラファーの名前や作風、金額感をまとめておくといざというときに便利
    • 滞在中の様子の記録
      • 滞在中、制作の風景や日常の様子を写真や動画などで記録しておくと、その後の広報に効果的
      • 例)
    • アウトプット記録
      • アウトプットとして展示などを行った場合のアーカイブ写真・動画など。プロのフォトグラファーを入れる場合、レジデンス側で撮影費用を負担するのか、アーティスト側が別途手配するのかは、事前に話し合っておいた方がよい
    • 過去の参加者一覧